派遣とアルバイト、どちらも勤務時間や時給が似ており、「どっちの働き方を選んだら良いのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
- 給与
- 社会保障
- スキルアップやキャリアアップ
- 働き方の自由度
- プライベートとの両立
- 家庭や子育てとのバランス
応募をする前には、上記のような様々な観点から、どのような働き方が自分に合っているのかをしっかりと見極めることが大切です。
今回は、派遣社員とアルバイトの違いや、自分に合った働き方の見極め方についてお伝えします。
派遣社員とアルバイトの定義
厚生労働省のWEBサイトに記載されている雇用形態の定義には、それぞれ下記の通りに記載されています。
派遣社員
派遣社員とは、労働者が人材派遣会社（派遣元）との間で労働契約を結んだ上で、派遣元が労働者派遣契約を結んでいる会社（派遣先）に労働者を派遣します。労働者は派遣先の指揮命令を受けて働く雇用形態の方を指します。
アルバイト
アルバイトは、１週間の所定労働時間が、同じ事業所に雇用されている正社員と比べて短い労働者をいいます（パートタイム労働法では、「短時間労働者」といいます）。「パートタイマー」や「アルバイト」など、呼び方は異なっても、この条件を満たせばパートタイム労働法上のパートタイム労働者となります。
（出典：厚生労働省「さまざま雇用形態」）
このように派遣社員とアルバイトは雇用形態に違いがあることが分かります。さらに詳しくそれぞれの雇用の違いをお伝えします。
派遣社員とアルバイト社員の違い
派遣社員とアルバイトの違いは大きく5つあります。
1.「雇用主」の違い
派遣社員は、被雇用者（派遣に登録し働く人）が人材派遣会社（派遣の場合は登録している派遣会社）との間で労働契約を結びます。つまりこの場合、被雇用者は「派遣先」の指示のもと働きます。しかし「雇用主」は仕事の指示を出す派遣先ではなく、登録している派遣会社ということになります。
一方でアルバイトの場合は、仕事の指示を出す企業と直接雇用関係を結びます。
2.給与の支払い・加入保険先の違い
派遣社員の場合は登録している派遣会社と雇用契約を結びます。そのため、派遣社員の場合、給与の支払いや保険の加入先は、派遣先の企業ではなくご自身が登録している派遣会社となります。
一方でアルバイトの場合は、直接仕事の指示を出す企業と雇用契約を結びます。そのためアルバイトは、勤め先の企業の雇用保険に加入し、給与を支払ってもらうこととなります。
3.就業期間
派遣社員の場合、労働者派遣法改正法の定めにより同じ派遣先の事業所において、3年を超えて派遣就業することはできません。ただし、下記に該当する方は、期間制限の対象外となります。
- 派遣元事業主で無期雇用されている派遣労働者
- 60歳以上の派遣労働者
- 有期プロジェクト業務
（事業の開始、転換、拡大、縮小又は廃止のための業務であって一定期間内に完了するもの） - 日数限定業務
（1ヶ月間に行われる日数が通常の労働者に比べ相当程度少なく、かつ、月10日以下であるもの） - 産前産後休業、育児休業・介護休業などを取得する労働者の業務
一方で、アルバイトの場合は、契約期間の更新が続く限り同じ事業所で働き続けることができます。
出典：厚生労働省「派遣で働く皆様へ」「派遣社員を受け入れるときの主なポイント」
4.日雇い契約の可否
派遣社員の場合、2012年10月1日に施行された労働者派遣法改正法により、日雇派遣が禁止されています。（ただし、日雇派遣の原則禁止の例外となる場合があります）そのため1日だけ新しい派遣先で働くことができません。派遣における最短の雇用期間は、31日以上でなければならないと定められています。
一方でアルバイトの場合は、1日単位から雇用契約を結ぶことができます。
出典：厚生労働省「改正に関するQ&A」
5.給与の違い
製造業の場合、正社員・契約社員・派遣社員・アルバイトなど違う雇用契約や雇用形態の人が同じ職場で働いている場合があります。同じような職種の募集でも、アルバイトより派遣社員の方が給与や時給が高いお仕事がありませんか？
実際にアルバイト、派遣社員の平均賃金は派遣社員の方が高い傾向にあります。下記は三大都市圏（関東・東海・関西）の2023年7月の派遣社員、アルバイトの平均時給です。
- 2023年7月度 派遣スタッフ募集時平均時給：1,627円
- 2023年7月度 アルバイト・パート募集時平均時給：1,155円
出典：株式会社リクルートジョブズジョブズリサーチセンター「2020年6月度 アルバイト・パート募集時平均時給調査」「2020年6月度 派遣スタッフ募集時平均時給調査」
このように、派遣社員とアルバイトでは働く上でいくつか条件が違います。仕事に応募する際は、それぞれの雇用の違いをしっかり理解した上で応募するようにしてくださいね。
自分に合った働き方を選択しましょう。
派遣社員かアルバイト。どちらで働くかは、自分に合った働き方ができる方を選ぶことをおすすめします。
例えば子どもの習い事のため、週3回シフト制で柔軟に働きたいという方は自由度の高いアルバイトを選択する方が多い傾向にあります。一方で自分のスキルを活かしたいという方は、即戦力を求める派遣社員に応募することでやりがいを感じながら働くことができるでしょう。
仕事の内容や条件が魅力的に感じる求人だったとしても、長く働くことができるのか、家庭や子育てと両立ができるのか、やりがいを感じながら仕事を続けることができるのかなど、長期的な視点で自分に合った働き方を選択することが大切です。
まとめ
派遣社員とアルバイトの違いを教えて下さい！
派遣社員とアルバイトの主な違いは下記の通り。
- 雇用主の違い
- 給与の支払い・加入保険先の違い
- 就業期間
- 日雇い契約の可否
- 給与の違い
一見すると同じような働き方に見えますが、様々な違いがあります。それぞれの雇用形態の違いをしっかりと理解した上で応募することをおすすめします。そうすることで入社後にミスマッチを感じることがなく、自分にあった働き方ができるでしょう。
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