就職や転職に伴う転居や、工場のお仕事スタートされる方の中には、派遣先の会社または人材派遣会社(派遣元)が用意した寮に入る方も多いでしょう。
皆さんは入寮する際、住民票はどうしていますか?特にご実家暮らしからそのまま入寮した方は、ご実家に住民票を置いたままの方も多いのではないでしょうか。
実は住民票を移すことは、法律上で義務とされています。3月・4月と1年の中でも転居が多くなるこれからの時期に向けて、今回は住民票について解説いたします。
住民票を移すことは法律上の義務です
転職や就職に伴いお引越しをされる方は、電気・ガス・水道といった生活インフラの契約など様々な手続きが必要になります。住民票を新しい転居先の自治体へ移す作業もしなければならない手続きの1つ。
実は住民票を移すことは、法律上義務とされています。「知らなかった!」という方も案外多いのではないでしょうか。
総務省のホームページサイトによると、下記のように記されています。
「お住まいの市区町村で、行政サービスを確実に受けられるようにするため、入学・就職・転勤等に伴う引越し等により住所を移した方は、速やかに住民票の住所変更の届出を行って下さい。(法律上の義務です。正当な理由がなく届出をしない場合、5万円以下の過料に処されることがあります。)
また、現住所で住所の届出をしていない方や住民票が消除されたままの方は、正しい届出が必要となります。」
(出典:総務省「住民票の住所変更について」)
住民票を移す(住所の移動手続きをする)ことは、国民健康保険、国民年金、選挙人名簿(選挙権を持つ人を登録)への登録につながる大切な手続きです。忘れないように各市区町村窓口で届け出をするようにしましょう。
住民票を移さないと、こんなデメリットがあります!
「住民票を移すことは法律上義務である」とお伝えしましたが、「住民票移さないと何か困った事があるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。続けて住民票を移さないと発生するデメリットをお伝えします。
住民票を移さないデメリット
1.転居先での公的サービスを受ける事ができない
図書館での本の貸し出しをはじめ、地域が行っている福祉や医療のサービスを無料もしくは格安で受けることができません。また新しい転居先での選挙権が与えられていないため、新住所の代表を市民として選ぶことができません。
2.自動車運転免許(自動二輪車免許)の更新ができない
運転免許証の更新案内のはがきは、住民票に記載されている住所に送られてきます。更新案内に気が付かず更新期限の逃してしまうこともあるかもしれません。またゴールド免許を除き、免許の更新は住民票のある市町村でしか行うことができませんので注意が必要です。
3.住宅手当・通勤手当が支給されないことも
お勤め先で住宅手当や通勤手当が支給される場合、住民票の提出が求められることがあります。その際に住民票と住んでいる住所が違う場合、通勤費や住居手当を支給してもらえないことがあります。
4.確定申告の手続きに手間がかかる
前年に副収入が20万円以上あった方、医療費控除の還付金を受け取りたい方は、確定申告をする必要があります。
確定申告の手続きは例外を除き、住民票記載の住所にある役所に申請を出さなければなりません。住民票を移動していない場合、転居前の住所までわざわざ出向き手続きを行う必要があります。
住民票を移すメリット
参考までに住民票を移すメリットもご紹介!
1.住んでいる市区町村の公的施設を利用できる
住民票を移すことにより、新しい転居先の市区町村の行政サービスを受けられるようになります。
自治体によっては、お手頃価格でスポーツジムを利用できたり、無料のワークショップに参加できたりしますよ。
2.公的郵便物を直接受け取る事ができる
選挙の投票用紙や年金のお知らせなど、役所からの公的郵便物は住民票の住所に送付されます。今ご自身が住んでいる住所に届くため、受取が遅れたり送付に気が付かないといったことが防げるでしょう。
住民票を移す手続き方法
最後に住民票を移す方法をご紹介。他の市町村に転出・転入の場合と同一の市町村内で転居をする場合では手続きが異なります。役所関係の手続きをスムーズに終わらせるためにも、ぜひ参考にしてくださいね。
他の市区町村に転出・転入される場合
- 引越前の市区町村【転出前に】出届を提出して転出証明書を受け取る
- 引越先の市区町村【転入した日から14日以内に】転出証明書を添えて転入届を提出
他の市区町村へ引越しする人は「転出届」と「転入届」の手続きが必要です。引っ越しの後は荷ほどきや他の手続きなどで何かとバタついてしまいますが、『転入した日から14日以内に』と手続きの期間が決まっているため、早めに届けを提出するようにしましょう。
同一の市区町村内で転居される場合
- 住民票のある市区町村 [転居した日から14日以内に] 転居届を提出
同一の市区町村内で引越しをする、という人は「転居届」を引越し先の自治体へ提出すれば手続きが完了します。窓口に行けば、数十分ほどの所要時間で転居届の手続きは済みます。忘れないうちに早めの手続きをしておきましょう。
手続きの方法は各市区町村のホームページにも記載していることがほとんどですが、手続きに疑問や質問がある場合は各市区町村窓口に直接お問合せ下さいね。
(出典:総務省「住民票の住所変更について」)
まとめ
就職で引っ越し!住民票って実家のままでいいの?
住民票を移すことは法律上義務です。
そのため就職や転職で住まいが変わる場合は、各市町村への届け出を忘れずに行うようにしましょう。
住民票の移し方は、他の市町村に転出・転入の場合と同一の市町村内で転居をする場合では手続きの方法が異なります。詳しい事を知りたいという方は早めに各市町村窓口に問い合わせてくださいね。
何かと後回しにしがちな住民票の手続きですが、住民票を移すことにより住んでいる市区町村の公的施設を利用できるなどのメリットもあります。一方で住民票を移さない事により罰金が科せられることもあります。