派遣先の担当者や上司から、就業時間を変更して欲しいと相談を受けたことがある方もいらっしゃるかと思います。
その場で依頼を受けるべきか迷うところですが、「断ったら派遣先企業との関係性が悪くなるかも･･･！？」と心配される方もいるかもしれません。
派遣先から時間変更の依頼を受けることってありますか？
工場のお仕事で例えると、派遣先の従業員が退職または異動・休暇で人手が足りなくなったときに勤務時間帯の変更（例:夜勤から2交替など）勤務時間の変更依頼されることもあります。
また、繁忙期や急な人手不足で、残業をお願いされることもあるでしょう。
派遣社員は、派遣先の企業での勤務が始まる前に労働契約を結びます。その労働契約には1日の勤務時間が記載されており、派遣先企業と派遣社員双方の同意を持って労働契約が結ばれます。
しかし派遣先企業の担当者が労働契約について理解していない場合、直接派遣社員に勤務時間の変更を依頼する場合があります。もし仮に直接時間変更の依頼を受けた場合、無理に従う必要はありません。
労働基準法の89条・2条でも「労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである」と定められています。
（出典：中央労働災害防止協会 安全衛生情報センター「労働基準法 第一章 総則（第一条－第十二条）」）
つまり、派遣スタッフの希望や意見が反映されていない労働時間の変更は従わなくても大丈夫ということになります。
もし勤務時間変更の依頼や相談を受けた時は、まず「派遣会社の担当者に相談します」と伝えるようにしましょう。
まずは派遣会社の担当者に確認・相談をしましょう
派遣契約で定められた条件を派遣先企業が派遣会社とスタッフの同意なしに自由に変更することはできません。
もし派遣先企業が勤務時間の変更を希望する場合は、皆さんが登録している派遣会社と派遣先企業との間でまず協議が行われます。
その後、派遣スタッフに勤務時間の変更が可能かどうかを確認し、派遣先の企業に回答する流れになります。もしご自身の都合に合わない変更提案であれば断ることができます。
仮に派遣先企業から勤務時間変更の依頼があった場合は、すぐに快諾せず登録している派遣会社の担当者に相談してくださいね。
急な残業依頼は断れる？
長期的な依頼でなくても、ピンポイントで残業依頼を受けることがあるかもしれません。
そのような時は、雇用契約の内容によって、対応が変わる場合があるので注意が必要です。
例えば労働契約に残業ありと記載されている場合、派遣先企業は残業が可能な派遣社員を登用していると認識しています。そのため基本的には、残業を断ることはできません。
「あらかじめ子どものお迎えなどで終業時間を相談していた」というケースのように、正当な理由があれば残業を断れる場合もあります。しかし正当な理由がないのに、派遣先企業の残業依頼を断った場合、契約違反になる可能性があります。
残業の多い・少ないは派遣先企業によって異なります。普段は無くても、繁忙期には残業が増える企業もあります。残業少なめのお仕事が良い！という方は、事前に残業の頻度や時間を確認してから応募すると後のトラブルを防ぐことができますよ。
まとめ
派遣先企業から勤務時間変更の相談を受けました。どう対応をすべき？！
派遣先企業の担当者から勤務時間変更の相談を受けた時は、派遣会社の担当者に相談しましょう。変更可能な場合でも契約に関わるため、その場で時間変更の承諾をするのは控えましょう。
また変更が難しい場合でも、「変更はできない！」と相談を突っぱねてしまうと派遣先企業の担当者との関係性が悪くなってしまうことがあります。そのため、断る場合でも「担当者に確認します。」と一言伝え、登録している派遣会社の担当者から時間変更が難しい旨を伝えてもらうと角が立たずに時間変更を断ることができるでしょう。
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