製造のお仕事は、担当する工程によっては様々な技術が必要になります。製造技術の中には、危険を伴うもの、一定の知識が必要になるものがあります。そのような業務の中には、資格を持っている人にしか対応できないものもあります。
そして資格には様々な種類がありますが、資格の中には「国家資格」と呼ばれるものがあります。
国家資格とは
文部科学省のWEBサイトには、下記の通りに記載されています。
国家資格とは、国の法律に基づいて、各種分野における個人の能力、知識が判定され、特定の職業に従事すると証明される資格。法律によって一定の社会的地位が保証されるので、社会からの信頼性は高い。
(引用:文部科学省「国家資格の概要について」 )
つまり国家資格を持つ人は、その知識や技術が一定水準以上に達していることを国によって認定・保障されていることとなります。
国家資格は、法律で設けられている規制の種類により4つに分類されます。
■業務独占資格
弁護士、公認会計士、司法書士など。有資格者以外が携わることを禁じられている業務を独占的に行うことができる資格。
■名称独占資格
栄養士、保育士など、有資格者以外はその名称を名乗ることを認められていない資格。
■設置義務資格
特定の事業を行う際に法律で設置が義務づけられている資格。
■技能検定
業務知識や技能などを評価する資格。
国家資格と民間資格の違い
このように国の法律に基づいて、各種分野における個人の能力、知識が判定された上で取得できる資格が国家資格です。それ以外の資格はすべて民間資格になります。
国家資格との違いは認定する主体が民間であることです。民間団体や企業などが独自の基準を設けて認定している資格です。
製造業でよく目にする国家資格
製造業で活用される資格にも国家資格があります。主に技能検定と呼ばれる種類の資格です。
製造業でよく目にする主な国家資格をご紹介します。
フォークリフト運転免許
フォークリフトの正式名称は「フォークリフト運転技能講習」です。
労働安全衛生法によって定められたフォークリフト運転技能講習を受講し、フォークリフト運転技能講習修了証が発行されることで、資格取得者となります。
電子機器組立技能士
都道府県職業能力開発協会が主催する技能検定試験に合格することで取得ができます。電子機器の組立や修理に必要な技能を持つことを証明する資格です。
衛生管理者
衛生管理者とは労働安全衛生法により、常時50人以上の労働者を使用する事業場で法的に設置が義務付けられている、労働衛生に関する技術的事項を管理する者のことです。衛生管理者試験に合格することで資格を得ることができます。
危険物取扱者
甲種危険物取扱者は全類の危険物、乙種危険物取扱者は指定の類の危険物について、取り扱いと定期点検、保安の監督ができるという資格です。
溶接技能者資格
アーク溶接作業者の資格をはじめ、溶接には溶接する材料や手法に応じて様々な種類の資格があります。
他にも電気工事士や機械保全技能士などの国家資格があります。
資格取得のメリット
仕事の幅が広がる
特に製造業は、有資格者でないと行えない業務がたくさんあります。国家資格を取得することにより、仕事の幅を広げるだけではなくキャリアアップにも繋がるでしょう。
給与アップに繋がる
資格をもっていることで、時給の高い有資格者のお仕事に応募ができたり、資格を持っているだけで資格手当がもらえる仕事もあります。(例:フォークリフト免許保有で基本給が+100円アップなど)
社会的信用が高い
資格や免許を保有していると、知識や技術があることの証明になります。特に国家資格は、国の法律に基づいて、各種分野における個人の能力、知識が判定されるため、社会的信用度が高い資格です。
このように国の法律に基づいて技能や能力が証明される国家資格は、キャリアアップを叶える資格の中でも、社会的に高く評価されます。
まとめ
国家資格って何ですか?取得のメリットも教えてください!
国家資格とは、国の法律に基づいて、各種分野における個人の能力、知識が判定され、特定の職業に従事すると証明される資格のことです。国家資格に定められている資格以外は全て民間資格です。
製造業で活用される資格は主に技能検定と呼ばれるものです。業務知識や技能などを評価する資格です。
製造業には国家資格を活かしてキャリアアップができるお仕事があります。