アーク溶接とは、2つの素材を電気の力を用いてつなげる方法のこと。火花を起こし、つなげたい部分の素材を溶かしてくっ付けます。建築業・自動車産業・造船業など、様々な製品を製造する上で用いられている溶接技術の1つです。しかし一方で感電や爆発などといった重大な事故の原因となる危険性がある仕事でもあります。そのため、アーク溶接は、知識を持った有資格者でないと行うことができません。
アーク溶接の求人は業界を超えて見かけますが、工場のお仕事にもアーク溶接の技術は欠かすことができません。比較的時給が高く設定されていることもあり、興味をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
アーク溶接免許とは?
アーク溶接の業務を行う際は、「専門的知識」や「危険への理解・対処の知識」が必要です。アーク溶接の作業をするには、資格が必要不可欠。そのため、一度技術を身につけることができれば、生涯役立つ国家資格です。
また日本溶接協会が発行する溶接資格(N-2FやA-2Vなど)には、有効期限があり更新する必要があるので、取得した方は更新を忘れないように気を付けましょう。
- 1年ごと:サーベイランス
- 3年ごと:再評価試験
技術や知識が必要となるアーク溶接は、技量が一定のレベルにあるかどうか継続して判断する必要があるとされています。そのため1年ごとの定期審査と3年ごとの評価試験行われます。
継続年月日の3ヶ月前を目処に職場や自宅にハガキが郵送されますので、ハガキの案内に則り対応を忘れないようにしてくださいね。
(出典:日本溶接協会「溶接技能者資格の取得と維持」)
アーク溶接免許の取り方とは?
アーク溶接免許を取得するためには、労働安全衛生法にもとづくアーク溶接特別教育を受講し、修了証の交付を受けることが必要です。試験や講習は、技術系の専門学校、教習所、社団法人などが行っており、各都道府県にそれぞれ受講センターや会場などが設置されています。
受験条件・資格
満18歳以上。その他受験にあたり、必要な条件・資格はありません。
免許取得までにかかる日数
主催団体や実施会場により異なりますが、3日ほどで取得できる場合がほとんどです。
受講料金
取得にあたりかかる費用は2万円前後です。受講費用も主催団体や実施会場により金額が変わるため、事前に申し込み機関に確認しておくと良いでしょう。
講習内容
■学科(2日間:計11時間)
- アーク溶接等に関する知識(1時間)
- アーク溶接装置に関する基礎知識(3時間)
- アーク溶接等の作業の方法に関する知識(6時間)
- 関係法令(1時間)
■実技(1日間:10時間)
- アーク溶接装置の取扱い及びアーク溶接等の作業の方法
(出典:一般財団法人 労働安全衛生管理協会「アーク(電気)溶接」)
※受講・実技日程は、実施する団体、地域により異なります。
詳しく知りたい方は地域管轄の実施団体に問い合わせてみてくださいね。
まとめ
アーク溶接免許の取り方と仕事内容を教えて下さい!
アーク溶接免許は、労働安全衛生法にもとづくアーク溶接特別教育を受講し、修了証の交付を受けることで取得できます。国家資格の1つでもあり、業界を超えて様々な製品の製造に欠かせない溶接技術の1つです。
技術系の専門学校、教習所、社団法人などが主催となり、資格取得講座を実施しています。受講費用や受講日などは、実施団体や実施会場によって異なりますので、申し込みの際に確認しておくと良いでしょう。
アーク溶接は、知識を持った有資格者でないと行うことができません。製造業の現場では、配管溶接やバルブなどの接続やユニット組立、金属の溶接などの業務があります。比較的時給が高めに設定されている求人もよく見かけます。またそれだけではなく、取得した資格や身に着けた技術は、さまざまな製造の現場で活用することができるでしょう。