給与と住民税の関係について、皆さんご存知でしょうか。
給与の額と住民税の額が関係していることは知っているけれど、その関係性について説明できる方は少ないのではないでしょうか。
- 住民税は給与から天引きされるの?
- 住民税の額ってどう決まるの?
- 退職などで収入がない場合はどうなるの?
など今回は、住民税そのものや住民税と給与の関係について解説いたします!
※2020年4月時点の情報をもとに作成しています
住民税とは?
まずはそもそも”住民税”とは何なのか?を解説します。
住民税とは?
大きく分けて住民税には「都道府県民税」と「市町村民税」があります。
納めた住民税は、道路・橋梁・公園の設備から、教育、福祉、消防・救急、ごみ処理にいたるさまざまな行政サービスの費用として使用されます。
個人が納める住民税には、
- 前年の所得金額に応じて課税される「所得割」
- 前年に一定以上の所得があれば所得金額に関わらず課税される「均等割」
があり、2つを併せた金額を納めることになります。
住民税の支払先
住民税は、1月1日時点に住所のある市町村へ市町村民税と道府県民税の両方を納付します。年の途中で他の市町村へ引っ越しした場合でも、その年度分の住民税は1月1日に住所のあった市町村に納めることになりますので注意してくださいね。
給与の支給額が変わると住民税も変わるの?
住民税は前年分の収入に対して税金を納めます。そのため社会人1年目の方は前年分の収入がなく税金が発生していないため住民税を支払わない方がほとんど。
また、住民税は確定した前年分の収入に対して税金を納めるので、税金に変動が発生せず年末調整の必要がありません。
企業に勤める会社員(派遣会社に登録している派遣社員・契約社員も含む)は給与から住民税が天引きされます。これを「特別徴収」といいます。天引きの額は、住民税の支払先の各自治体から送付される「特別徴収税額の決定通知書(納税義務者用)」にしたがって天引きされています。
住民税の計算方法
住民税の計算方法は下記の通り。
所得割
所得に対して課される税額のこと。ここでの所得は前年の1月1日から12月31日に得た所得(給与など)を指します。
税率は、所得税は5%から45%までの7段階になっていますが、市民税は一律8%、県民税は一律2%です。ただしこの10%は標準税率で、自治体によっては森林環境保全などの財源を目的に、標準税率より高い超過課税を実施しているところもあります。
均等割
都道府県で1,500円、市町村・特別区で3,500円の合計5,000円が均等割りの金額となります。
しかしこの金額設定も各自治体によって金額の設定がゆだねられているため、住民票を提出している自治体によって金額が異なる場合があります。
給与が変わると住民税の額が変わるのは所得割が適応されるから。他にも住民税は副業や配当、譲渡など、給料以外で収入があった場合や扶養家族の異動などで控除額が減少した場合にも変動しますので注意してくださいね。
住民税の金額が変わると何が変わる?
自分がどのくらい住民税を払っているのか知っておくのは大事です。実は住民税額によって社会保障や福祉サービスをどのくらい受けられるか、自己負担額がいくらになるのか、違ってくることがあります。
住民税額が変わると下記のような行政サービスの給付や負担額に変化が生じる例も。
- 高額医療制度の自己負担額
- 高額介護サービス費の自己負担額
- 介護保険の保険料
- 高等学校等支援金制度
- 奨学金制度
- がん検診や予防接種などの料金
ここに挙げたのは一例であり、各自治体によって違う場合もあります。
まずはご自身の住民税の金額を確認しましょう。その上で住民税について気になることがあれば、早めにお住まいの自治体窓口に問い合わせることをオススメします。
まとめ
意外と知らない?給与と住民税の関係について解説!
1.住民税は所得割+均等割で請求の金額が決まります。
所得割は給与の額に応じて変動するので多く給与をもらえばもらうほど、その額は大きくなります。
2.住民税は、前年分の収入(給与など)に応じてその金額が決まります。
3.住民税は住んでいる自治体によってその税率や徴収額が変動します。さらに同じ地域、同じ額の給与をもらっていても副業や配当、譲渡などの給与以外の収入、扶養の有無などでその額は変わります。
住民税は所得税と違い、年末調整もなく会社勤めの方であれば給与から天引きされることが多いため関心が薄い方が多いと言われています。
住民税の額によって行政サービスの給付や負担額に変化が生じる例もありますので、一度ご自身でも住民税について調べてみるもの良いかもしれませんね。
※2020年4月時点の情報をもとに作成しています。詳細に関してはお住いの自治体でご確認下さい。