皆さんは『電子機器組立技能士』をご存知でしょうか。都道府県職業能力開発協会が主催する技能検定試験に合格し、電子機器の組立や修理に必要な技能を持った人のことを指します。
今回は「電子機器組立技能士の資格ってどんな資格ですか?」というテーマのもと、電子機器組立技能士について下記にまとめてご紹介します。
- 電子機器組立技能士の資格について
- 電子機器組立技能士の資格取得方法
- 当社での電子機器組立技能士の資格取得実績
現在電子機器の組立工場で働いている方や、製造のお仕事、電子機器組立技能士に興味がある方はぜひ参考にしてくださいね!
電子機器組立技能士とは
電子機器組立技能士とは、都道府県職業能力開発協会(問題作成等は中央職業能力開発協会)が実施する技能検定制度の一種です。あらゆる電子機器の組立から修理に必要な技術や知識を持ち、携帯電話やパソコンなどの電子機器を扱うお仕事には欠かせない存在です。
国家資格となり、受験者数は平成26年を境に年々その数を伸ばしています。
【受験申請者数】
- 平成26年度 7,699名
- 平成27年度 8,634名
- 平成28年度 9,141名
- 平成29年度 10,622名
電子機器組立技能士の等級は、下記の通り3級~特級があり、3級を除き受験には一定の実務経験が必要になります。
- 特級:1級合格後、5年以上の実務経験
- 1級:7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上、3級合格後4年以上の実務経験
- 2級:実務経験2年以上、または3級合格者
- 3級:不問
(出典:厚生労働省「平成29年度「技能検定」実施状況」)
電子部品組立のお仕事が増えています
近年では携帯電話やタブレットの普及、自動車や家電の部品電子化など高機能・高性能化が急速に進んでいます。それに伴い電子部品を扱う工場も増え、電子機器の組立て、配線を行う仕事の需要が増してきました。
電子部品の組み立ては、未経験者から始められるお仕事もたくさんありますが、中には事務機の制御部を製作や基板の実装、機内配線など専門知識とスキルを必要とするお仕事もたくさんあります。
電子部品組立技能士の資格はスキルの証明に役立つ
勤務先によっては組立ラインの昇進に必要な資格として位置付けられていたり、中には有資資格者へ手当が支給されるところもあるようです。また自分自身のスキルアップのため、電子機器組立て技能士の資格に挑戦する方もいるそうです。
電子機器組立技能士は、2級以上は実務経験が2年以上必要なこともあり、技能士としてのスキル・知識を証明してくれます。
電子機器組立技能士の資格の取得方法
続けて、電子機器組立技能士の資格取得方法をご紹介します。
試験日程
試験実施スケジュールは、前年度の3月上旬頃に公表されます。学科試験及び実技試験は日程が異なります。また1年に1回、全国で一斉に行われますので、資格取得を目指している方はスケジュールの把握はもちろん、資格取得に向けて勉強のスケジュール調整をしっかりとおこないましょう。
試験概要
学科試験と実技試験(製作等作業試験)があります。各試験の内容は下記の通りです。
【学科試験】
学科試験は下記の6科目となります。(※特級は異なる)
- 電子機器
- 電子・電気
- 組立て法
- 材料
- 製図
- 安全衛生
【実技試験(製作等作業試験)】
実技試験は、電子機器の組み立て作業です。作業の段取りや電子機器の組み立て、電子回路の点検が試験に含まれます。
(出典:厚生労働省「電子機器組立て技能検定試験の試験科目及びその範囲並びにその細目」)
各都道府県の職業能力開発協会、中央職業能力開発協会のコーポレートサイトからも詳細を見ることができます。資格取得をお考えの方は、ご確認下さいね。
[参考]電子機器組立技能士は当社の資格取得支援でも取得実績アリ!
当社の電子機器組立技能士 取得実績
電子機器組立技能士は当社でも取得実績があります!
【取得実績】
- 1級:11 名
- 2級:24名
合計35名(2020年1月時点)
当社では、電子部品を扱うお仕事が多く、スキルアップの一環で電子機器組立技能士の資格取得を目指される方がいます。
平成30年度の受験申請者及び合格率
平成30年度の受験申請者及び合格率は下記の通りとなります。
【受検申請者数】
- 1級:909名
- 2級:2,241名
【合格率】
- 1級:42.8%
- 2級:44.0%
合格率が1級・2級共に50%を下回ってしまう難しい試験ではありますが、当社の資格支援制度を利用して資格を取得しスキルアップを叶えている方がたくさんいます。
まとめ
電子機器組立技能士の資格ってどんな資格ですか?
電子機器組立技能士とは、各都道府県の職業能力開発協会が実施する技能検定制度に合格した電子機器の組立から修理に必要な技術や知識を有する人の事を指します。
資格の取得には、毎年1回行われる技能検定に合格する必要があります。筆記・実技共に試験が行われ、筆記試験では広い範囲からその知識が問われます。また実技においても、作業の段取りや電子機器の組み立て、電子回路の点検が評価の対象となります。
合格率は決して高くはないですが、技能士としてのスキルや知識を持ち合わせている証明にもなります。また技能士として確かな実績を残していることが評価される資格でもあります。
興味がある方は、ぜひ資格取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。